サマリー
地方から東京圏への人の転出が続いており、「地方消滅」の危機は現在も続いている。2017 年12 月にまとめられた「まち・ひと・しごと創生総合戦略のKPI検証に関する報告書」では、基本目標KPIである「地方・東京圏の転出入均衡」、施策のKPIである「自県大学進学者割合全国平均」ともに進捗がみられないとしていることから、自県大学への進学が進まないことが原因で地方・東京圏の間の転出入均衡が見通せない状況であるようにもみえる。
しかし、東京23 区の大学定員増加抑制にせよ、自県大学進学者割合の引き上げにせよ、大学進学時に東京側で人を受け入れない、地方から人を出さないといった施策は、地方・東京圏の転出入均衡策として効果的とは思えない。
「まち・ひと・しごと創生総合戦略 (2017 改訂版)」には、東京圏の大学のサテライトキャンパス設置や単位互換による対流・交流の取り組み促進が盛り込まれており、従来の「囲い込み」型の発想から一歩抜け出ている点で注目できる。効果が疑われる施策は大胆に修正し、試行錯誤の中で、二の矢、三の矢を放つ必要がある。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ふるさと納税のポータルサイト手数料
事務費の性質からみた内製化の論点-リスクの引受と間接費の計上
2026年09月28日
-
ふるさと納税の現況
地域経済の下支えと財政健全化の効果
2026年08月26日
-
最高路線価に読む立地の収益力
大都市圏への集中と、商業拠点から観光拠点への主役交代の兆し
2026年07月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

