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地方創生を加速する地方歳入の再設計

地方法人二税と地方交付税の改革を

2015年05月25日

経済調査部 主任研究員 溝端 幹雄

サマリー

◆現状の様々な政策は、補助金や優遇税制を通じた財政赤字に依存したシステムとなっており、そうしたインセンティブを無視して地方創生と財政健全化の両立を進めることは難しい。地方創生と財政健全化を両立させるためには、地方自治体のこうした誘因を絶つ制度改革が必要であり、具体的には、地方法人二税と地方交付税を縮小・廃止し、地方消費税をはじめとする住民税・固定資産税といった地方税として望ましい税体系に移行すべきである。


◆地域間の資本移動を誘発する法人税は、地域間で税収格差を拡大させ、かつ、地方財政の安定性も損ねるため、本来、地方税として法人課税はなじみにくいことが指摘されている。さらに法人課税は国税として扱われるのが世界的に普通であり、法人課税を地方税として位置づける国は少数派で、しかもその割合は小さい。


◆また、現行の地方交付税制度には、地方税収を増やして歳出を効率化させるインセンティブに乏しい。地域活性化の努力で見込み税収が増えても、地方交付税の減額で歳入額があまり増えないのであれば、地方自治体は本気で地方創生に向けた努力をしないだろう。さらに地方交付税に依存する誘因を減らすには、地方自治体の人口集積を図ることで自治体経営の効率化や集積の経済を促すことも重要だ。


◆これらの改革によって、今後は活性化する地域もあれば、衰退する地域もあるかもしれない。超少子高齢社会において全ての地域が発展することはありえず、住民や企業に選ばれた地域のみが発展するという形で、今後の地方創生は進んでいくものと思われる。

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