2019年05月16日
サマリー
◆従業員の健康に着目した経営の取組みが浸透してきた一方で、いまだ企業は従業員が精神障害等の労災を負うリスクを抱えている。企業と投資家双方にとって、重大な事件や事故等に発展しかねない人事労務管理上のリスク管理は重要である。
◆職業別に確認すると、「専門的・技術的職業従事者」の仕事や職業生活に関する強いストレスのある労働者の割合が高い。産業構造の変化とともに仕事内容が高度化し、「専門的・技術的職業従事者」の抱える心理的負荷が増えてきた可能性がある。
◆関連する統計によれば、「専門・技術」職に従事する労働者の不足感は、他の職種に比べて非常に強く、年々強まっている。2013年から2018年の5年間で、「専門的・技術的職業従事者」は127万人増と全職種の中でも最も増加しており、今後も「専門的・技術的職業従事者」に対する需要は高いと考えられる。
◆「専門的・技術的職業従事者」が多い業種は、「教育,学習支援業」や「医療,福祉」、「情報通信業」、「学術研究,専門・技術サービス」等である。今後、専門的・技術的な職業の重要性が増すことが予想され、各業界や各企業においては職種特性に応じた労働者のストレスに配慮する労務管理の対応がこれまで以上に求められる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
健康経営の新たな戦略基盤
従業員多様化時代のウェルビーイングプラットフォームの可能性
2025年10月24日
-
健康経営の評価軸は「成果」へシフト
スコープは社会全体のウェルビーイング向上や経済成長にも拡大
2025年09月12日
-
従業員の経済的不安に、企業はどう応えるか
従業員の現在の備えと将来の資産形成を両立する米国企業の取り組み
2025年08月18日

