2019年04月05日
サマリー
◆いよいよ「働き方改革」の大きな柱の一つである、罰則付きの残業時間の上限規制が2019年4月から施行された。法令遵守は当然のことながら、働く人の健康を確保しながら生産性を引き上げ、個々人の意欲や能力を発揮できる新しい労働環境が求められている。
◆人事施策やCSRに関する情報の中でも、従業員の労働時間やそれに伴うメンタルヘルスの状況に投資家も強い関心を抱いている。「健康経営」が注目される中で、株主などの投資家も企業が従業員の健康確保にどれだけ力を入れているのか関心を持っているのである。
◆メンタルヘルス対策の実施状況を見ると、法律で義務化されたことにより、労働者のストレスチェックに取り組む企業は多い。ただ、ストレスチェックの結果を分析し、職場環境の改善に活かすかどうかは各企業に委ねられている。
◆企業側に求められることは、ストレスチェックの結果を活用し、職場環境の要因を分析することで状況の改善を図ることである。労働時間に関する規制が厳しくなることに伴い、労働時間の単純な管理にとどまらず、労働の質の観点から従業員のメンタルヘルスの状況をチェックしていくことが重要だ。また、企業がどれだけ労働時間やメンタルヘルスにかかわる取り組みを行っているのか、積極的に情報開示していくことも求められる。
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