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高齢者は都市が好き?

高齢者移住の現状

2016年06月30日

経済調査部 研究員 山口 茜

サマリー

◆2015年、60歳以上人口の約1%の人が他の市町村へと移住した。本稿では、高齢者の移住が注目される中で、実際に高齢者はどのような移住行動をとっているのか、その実態を探る。


◆高齢者は基本的に同一都道府県内への移住が多く、さらに、他の都道府県へ移住する場合には近隣の都市、あるいは都市近辺を好んで移住している傾向がある。


◆札幌市や福岡市の事例に見られるように、近隣の比較的小規模な市町村から都市への高齢者の転入が起こっている。東京都特別区部ほどの巨大都市からは高齢者の転出超過が起こっているものの、転出者の行き先としては近隣の人口15万人以上の都市が選ばれている。このことから言えるのは、高齢者は東京都特別区部ほどの巨大都市は好まないが、やはり、便利な都市を好むということである。


◆1941~45年生まれの人に関して、就学や就職を機に地方から大都市圏へ移住した人が、再び地方に戻ってくる地方回帰率は16%ほどであり、そのうち、定年退職後の地方回帰の動きは微々たるものであった。


◆高齢者にとっても、都市の魅力が高い可能性が考えられる。都市ならではの利便性に加え、都市で働く子ども・孫世帯と同居・あるいは近居することで子育てをサポートできることも魅力の1つであろう。近年、女性の就業率が上昇し、共働き世帯が増えていく中で、高齢者が都市から求められているという側面もあるのではないか。

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