アジア地域のエネルギー政策と日本

~震災後のエネルギー政策を考える~『大和総研調査季報』 2011年夏季号(Vol.3)掲載

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2011年08月01日

  • 真鍋 裕子
  • 物江 陽子

サマリー

2011年3月、東北地方太平洋沖地震後に発生した福島第一原子力発電所事故により、原子力発電に注力してきた日本のエネルギー政策は転換を迫られている。一方、他のアジア諸国に目を向ければ、経済成長に伴う急激なエネルギー需要の増大と長期的なエネルギー価格の高騰を背景に、積極的なエネルギー政策を展開する国々の姿が見られる。アジアは既に世界のエネルギー消費の約4割を占めるエネルギーの一大消費地であり、今後も世界のエネルギー需要増を牽引するとみられる。日本のエネルギー政策を考えるうえで、「アジア」は極めて重要なキーワードになるであろう。

本稿は以上の問題意識から、アジアにおけるエネルギー需給とエネルギー政策を検証し、日本のエネルギー政策への示唆を得ようとするものである。中国・インド・韓国・インドネシアを中心にアジア諸国の施策を検証したのち、日本のエネルギー政策への示唆として、(1)エネルギー需給逼迫を視野にエネルギー安全保障の重要性を再認識する必要性、(2)自国のエネルギー資源のポテンシャルを最大源に活用する必要性、(3)エネルギー需給逼迫に伴う関連市場拡大に対して産業政策を展開する必要性を指摘した。

大和総研調査季報 2024年新春号Vol.53

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