サマリー
◆2012年から2022年の賃金統計等をもとに、5つのモデル世帯を設定し、第2次安倍政権以後における家計の実質可処分所得の推移を推計した。
◆2021年から2022年にかけては、賃金上昇を上回る物価上昇があったこと、および子育て世帯では2021年の特別給付金(18歳以下の子ども1人あたり10万円支給)の効果が剥落したことにより、5つのケース全てで実質可処分所得は減少した。
◆特別給付金を除いた長期トレンドを見ると、「30代4人世帯」のモデルで実質可処分所得の増加が続いている。30代有配偶女性は正規雇用での就業率が大幅に上昇し、女性の賃金上昇が実質可処分所得の増加をもたらしていた。
◆2012年から2022年にかけて物価は8.25%上昇しており、所得税・住民税の実効税率の上昇と、実質でみた児童手当の目減りが生じている。「30代4人世帯」と「40代4人世帯」のモデルでは、これらの合計が年4万円程度の実質可処分所得の押し下げ要因となっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
日本維新の会が掲げる税制関連施策
所得税インフレ調整・給付付き税額控除の議論が加速する見込み
2025年10月28日
-
若年層の実質可処分所得の超長期推計
20~34歳未婚男女につき、1980~2024年の45年間を推計
2025年10月20日
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日

