サマリー
企業の課税逃れに対処するため、経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心とする約140 カ国が、2021 年半ばまでの合意を目指し、ミニマムタックスについて議論している。ミニマムタックスとは、多国籍企業が低税率国に子会社を設立することで、「最低税率」を下回る水準でしか課税を負担していない場合に、本国の親会社等にその国の政府が上乗せ課税を行う措置である。
ミニマムタックス提案の背景として、経済のデジタル化が進み、インターネットを通じたサービスを実現する知的財産権(無形資産)の価値が高まっている中、一部の欧米企業の間で無形資産をタックスヘイブンに移転する課税逃れが行われていることがある。日本企業の多くはタックスプランニングに消極的と言われ、ミニマムタックスが導入されても上乗せ課税の対象となる日本企業は少ないと予想される一方、税負担を抑えている一部の欧米企業と比べて(税引き後利益の獲得能力で測定した)競争力が改善する可能性がある。
OECDはミニマムタックス導入により(並行して議論しているデジタル課税と合わせ)全世界で毎年1,000 億ドルの税収が増加すると試算しており、コロナ禍を受けて増加した各国の財政支出の一部を賄うことが期待される。

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