サマリー
◆2018年3月、欧州委員会は欧州連合理事会にデジタル課税に関して、①重要なデジタルプレゼンスの恒久的施設(PE)認定に係る指令案と、②デジタルサービス売上税に係る指令案を提出した。可決された場合、指令に基づきEU加盟国が制定する法令の施行日は2020年1月1日とされている。
◆重要なデジタルプレゼンスのPE認定に係る指令案は、EU加盟国内に物理的施設を有していなくても、デジタルサービスにより稼得した収益あるいはユーザー数、事業契約の締結数が一定水準を超えた場合、当該EU加盟国内にPEを有するとみなし、法人税を課すものである。
◆一方、デジタルサービス売上税に係る指令案は、①オンライン広告、②交流サイトやオンラインマーケットプレイスの提供、③ユーザーデータの有償移転による売上に対して、3%の税率で課税するというものである。本指令案は、重要なデジタルプレゼンスのPE認定に係る指令案が実施されるまでの暫定的措置と位置づけられている。
◆デジタル課税の導入に関してEU加盟国間で意見の相違があることから、指令案の成立は容易ではないと予想される。しかしながら、一部の加盟国がすでに一方的な課税措置をとっており、OECDでもデジタル経済を捕捉するための新たな国際課税制度の枠組み作りに向けて議論がなされているため、デジタル課税の動向に注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ベストオーナー税制の論点
事業譲渡への税制措置による企業の選択肢拡大に期待
2026年10月30日
-
マル優・NISA等の非課税制度が家計金融資産に及ぼした影響の長期分析
~家計の国債保有優遇策の検討に向けた政策的示唆~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載
2026年10月26日
-
飲食料品消費税率引下げによる事業者への影響
税制や予算の特例により事業者への影響を抑える方針
2026年10月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

