1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. 法律・制度
  4. 税制
  5. EUのデジタル課税案と日本企業への影響

EUのデジタル課税案と日本企業への影響

理事会指令案の要点解説と今後の展望

2018年09月28日

調査本部 柿沼 英理子

金融調査部 主任研究員 金本 悠希

サマリー

◆2018年3月、欧州委員会は欧州連合理事会にデジタル課税に関して、①重要なデジタルプレゼンスの恒久的施設(PE)認定に係る指令案と、②デジタルサービス売上税に係る指令案を提出した。可決された場合、指令に基づきEU加盟国が制定する法令の施行日は2020年1月1日とされている。

◆重要なデジタルプレゼンスのPE認定に係る指令案は、EU加盟国内に物理的施設を有していなくても、デジタルサービスにより稼得した収益あるいはユーザー数、事業契約の締結数が一定水準を超えた場合、当該EU加盟国内にPEを有するとみなし、法人税を課すものである。

◆一方、デジタルサービス売上税に係る指令案は、①オンライン広告、②交流サイトやオンラインマーケットプレイスの提供、③ユーザーデータの有償移転による売上に対して、3%の税率で課税するというものである。本指令案は、重要なデジタルプレゼンスのPE認定に係る指令案が実施されるまでの暫定的措置と位置づけられている。

◆デジタル課税の導入に関してEU加盟国間で意見の相違があることから、指令案の成立は容易ではないと予想される。しかしながら、一部の加盟国がすでに一方的な課税措置をとっており、OECDでもデジタル経済を捕捉するための新たな国際課税制度の枠組み作りに向けて議論がなされているため、デジタル課税の動向に注意が必要だ。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加