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組織再編税制の見直し

合併・株式交換によるスクイーズアウトが適格組織再編成になり得ることに

2017年02月23日

金融調査部 主任研究員 金本 悠希

サマリー

◆2月3日、法人税法等の改正案が公表された。昨年末公表された税制改正大綱を踏まえ、組織再編税制の見直しが盛り込まれている。スピンオフに関する税制上の手当てがなされたほか、スクイーズアウトを実施しやすくする見直しが含まれており、実務的に非常に重要な改正である。


◆スピンオフとは、特定事業を切り出して独立の会社とする組織再編成の手法である。現行制度では適格要件を満たさず事業を切り出す会社に課税がなされるが、新設分割型分割、完全子会社株式の現物分配等を利用したスピンオフが適格要件を満たし得るよう、適格要件の見直しが行われている。


◆スクイーズアウトとは、対象会社を完全子法人化するため、現金を対価として少数株主から株式を強制的に取得する行為である。実務上、全部取得条項付株式等を利用して行う方法が一般的である。現行制度ではこれらの方法による場合、対象会社に対する課税は生じないが、これらの手法による場合も、株式交換と同様に組織再編税制の一環として位置づけ、適格要件を満たさない場合は対象会社に対して課税がなされる等の見直しが行われている。


◆さらに、合併・株式交換によるスクイーズアウトを行いやすくする見直しも行っている。現行制度では、現金対価の合併・株式交換は適格要件を満たさず対象会社に対して課税がなされるが、合併法人等が対象会社の2/3以上の株式を保有する場合、現金合併等が適格要件を満たし得るように適格要件が見直されている。


◆その他、適格要件(企業グループ内の分割型分割に係る関係継続要件・共同事業を行うための合併等に係る株式継続保有要件)の見直し等が行われている。


◆施行時期は、スクイーズアウト関連の見直し・適格要件の見直しについては、平成29年10月1日以後の組織再編成について適用される。それ以外の見直し(スピンオフ等)については、平成29年4月1日以後の組織再編成について適用される。

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