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特定支出控除拡大でも税負担軽減者は少ない

政府税制調査会で検討されている特定支出控除の改正案の分析

2010年12月09日

金融調査部 研究員 是枝 俊悟

サマリー

◆特定支出控除は、給与所得者が支払った「特定支出」の金額が給与所得控除額を超える場合、その超える分の控除を認める制度である。政府税調は、(1)「特定支出」の範囲を拡充し、勤務必要経費(書籍費・被服費・交際費等、ただし計65万円以内)、弁護士・公認会計士・税理士等の資格取得費を含めること、(2)特定支出が給与所得控除額の1/2を超える分について控除を認めること、を検討している。

◆改正案が実施されても、勤務必要経費(書籍費・被服費・交際費等)があるだけで、税負担が軽減される可能性があるのは、年収380万円以下の者に限られる。

◆例えば年収600万円の者が特定支出控除を利用できるケースは、改正案のもとでも年間87万円以上(うち25万円以上は「勤務必要経費」以外の費用)の「特定支出」が必要であり、相当に高額な資格取得費を支払っているケースなどに限られる。

◆仮に特定支出控除制度が政府税調案のように拡充されたとしても、それによって税負担が軽減される者はかなり少ないものと考えられる。

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