証券税制の行方 その3

財務省・総務省案が提示され、議論本格化へ

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2010年11月15日

  • 吉井 一洋

サマリー

◆2010年11月11日の政府税調で、財務省・総務省の大臣政務官から、証券税制に関する見直しの視点の説明があった。

◆見直しの視点では、以下を提案している。

・金融所得課税一体化を進め、上場株式等の配当・譲渡益の税率を10%から他の金融商品と同じ20%とした上で、損益通算の範囲を拡大する。税率の引上げ時期は2012年1月からとする。損益通算の範囲の拡大の対象は公社債の利子・譲渡益とし、預貯金の利子はとりあえず対象外の模様である。損益通算の範囲拡大の時期は、税率引上げと同時を想定していないと思われる。

・現在、配当が総合課税となっている発行済株式等の保有割合5%以上の大口株主について、これを見直す(引き下げる旨を示唆)。

・上場株式等の配当・譲渡益の個人住民税の税率は3%(所得税との合計で10%)となっているが、まずはこれを5%(所得税との合計で20%)に引き上げる。さらに、個人住民税の税率が10%となっていることに合わせ、利子・配当・株式・土地等の譲渡益の税率が、原則5%となっていることも見直しを検討する。

◆財務省・総務省案が示されたことで、証券税制の議論が、いよいよ本格化し始めている。

※以下も参照されたい

証券税制の行方—本格的議論はこれから—」(2010年10月29日付吉井一洋)

証券税制の行方その2—主要検討事項に格上げ—」(2010年11月2日付吉井一洋)

本レポートは、サマリーのみの掲載とさせて頂きます。

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