米国対内投資規制の改正

トランプ大統領は、CFIUSの活用を言明

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サマリー

◆2018年7月27日に米国下院、同8月1日に同上院で2019年度国防権限法案が可決された。8月13日には、トランプ大統領による同法案への署名が行われた。この国防権限法には、対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を強化することなどを内容とする、「2018年外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)」が含まれている。

◆CFIUSは、外国企業等による米国企業の買収等を国家安全保障上の観点から問題がないか審査する機関である。FIRRMAは、CFIUSの審査対象となる取引の範囲を拡大したり、その権限を強化するなどこれまでの規制を大きく改正するものである。FIRRMAは、外国、特に中国からの米国ハイテク企業への投資の増加による、米国の国家安全保障などに対する懸念の高まりを背景として制定されたものと思われる。

◆FIRRMA成立に先立つ2018年6月29日、トランプ大統領は、同法案が成立すれば、速やかに同法を施行し、かつ、厳格に執行するよう指示する旨表明していた。中国企業のみならず米国企業の買収を目指す他の外国企業や、買収される米国企業にも影響を与える可能性がある。

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