金融機能強化法、震災特例創設へ

公的資金注入の申請期限延長、要件緩和へ

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サマリー

◆自見金融担当大臣は、2011年5月13日、東日本大震災への対応のため、金融機能強化法の改正法案を国会に提出する方針であることを発表した。

◆同法は地域金融機能強化や中小企業への融資円滑化などを目的に、債務超過ではない金融機関への公的資金による資本注入を、時限的に可能とするものである。金融庁の方針では、その申請期限を5年間(2017年3月31日まで)延長することとしている。

◆震災の影響を受けた金融機関が公的資金の資本注入を受ける場合については、経営責任が問われないことの明確化、収益性・効率性の目標免除、資本注入手法(例えば現行制度では、銀行は所定の株式のみ)の多様化による資本参加コストの引下げなどの特例が設けられる。

◆自ら被災した信用金庫、信用組合、労働金庫については、債務超過であるか否かが明確でない場合であっても、国と信金中金、全信組連、労金連といった中央機関が一体となって、信託受益権等を活用し、資本参加を行うことを可能とする。ただし、農林系の金融機関は、当該措置の対象となっていない。将来合併等の事業再構築を行ってもなお残る損失は減資等で吸収し、返済を求めない。

◆11.6兆円の政府保証枠が残っており、新たな予算措置は想定されていない。

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