増大したコロナ融資の整理のため求められる中小企業の事業再生

「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」が4月から適用開始

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サマリー

◆2022年3月4日、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」が策定された。本ガイドラインは、弁護士等が参加して、中小企業の債務について返済猶予や債務減免等を行って事業再構築を行う手続を定めている(2022年4月15日から適用開始)。

◆コロナ禍を受けて導入されたいわゆるゼロゼロ融資により、企業債務が膨れ上がっており、今後、債務の返済が困難になる中小企業が増えると予想される。ガイドラインにより、中小企業の事業再生が進むことが期待される。

◆ただし、手続に参加する弁護士等の数が限られるため、債務返済が困難な全ての中小企業の事業再生を実現するのは難しいだろう。金融機関は、可能な限り事業再生に取り組みつつ、将来、債権が不良債権化して損失が発生する可能性に備え、適切に貸倒引当金を計上するとともに、自己資本を厚くしておくのが望ましい。

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