暗号資産規制、EU法案

ステーブルコインの潜在的なシステミック・リスクに着目

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2021年に入り、暗号資産(仮想通貨)への関心が高まっている。

◆こうした状況を受けて、本稿では、欧州連合(EU)が2020年9月24日に公表した、暗号資産規制の法案(EU法案) を簡単に紹介することとしたい。

◆EU法案は、‘same activity, same risks, same rules’ を合言葉に、暗号資産業を「普通の」金融業(financial service)と同等に扱おうとしている。

◆こうしたアプローチ自体は、日本のそれと大きく離れたものではない。

◆EU法案がもたらす日本への示唆としては、「グローバル・ステーブルコイン」の取扱いが挙げられる。というのも、これは金融安定理事会(FSB)も提唱している暗号資産の一カテゴリーであり、EU法案はその認定要件や、課すべきより厳格な規制(アドオン要件)の青写真を示したものといえるからである。

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