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気候変動リスクとバーゼル規制

銀行の「石炭・石油」セクター向け投融資、所要自己資本額引き上げ?

金融調査部 主任研究員 鈴木 利光

サマリー

◆2020年1月20日、国際決済銀行(BIS)は、フランス銀行およびユーロシステムとの連名で、“The green swan: Central banking and financial stability in the age of climate change”と題するレポート(BISレポート)を公表している。BISレポートは、バーゼル規制における気候変動リスクの組み入れに関する議論に言及している。

◆BISレポートでは、気候変動リスクを金融リスクの一部とみなすとしたら、それを「第一の柱」(最低所要自己資本比率)に反映することが適切となりうるとしている。その場合の方法として、BISの外部において、「グリーン」セクター向けエクスポージャーのリスク・ウェイトを引き下げる方向の議論と、「ブラウン」セクター(非「グリーン」セクター)向けエクスポージャーのリスク・ウェイトを引き上げる方向の議論が存在することを紹介している。そのうえで、追加的な調査を要するとしつつも、後者が優勢になりつつある、という見方を示している。

◆そして、何をもって「ブラウン」とするかの判断に際しては、合意された、客観的な「タクソノミー」、すなわち「グリーン」セクターのリストが必要である、としている。

◆仮に上記の方策のバーゼル規制への導入が議論の俎上に載せられた場合は、「タクソノミー」に各国裁量が付与されるのか否か、が最大の関心事項の一つとなろう。ちなみに、EUタクソノミーの法案(2019年12月合意時点)では、「石炭・石油」セクターが「グリーン」セクターには含まれない、すなわち「ブラウン」セクターとなることが明記されている。

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