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EU店頭デリバティブ取引の清算集中義務

【EMIR域外適用】「清算集中閾値」計算への算入要否、ケーススタディ

金融調査部 主任研究員 鈴木 利光

サマリー

◆EUの店頭デリバティブ取引規制を定める、欧州市場インフラ規則(EMIR)のうち、「標準化された」店頭デリバティブ取引の清算集中義務(EMIR清算集中義務)は、2019年には経過措置が概ね終了し、本格的な運用が開始されている。

◆これにより、EMIR清算集中義務の定める、EU域外のカウンターパーティへの適用(域外適用)の対象となり得るケースが増加している可能性がある。

◆EMIR清算集中義務の対象となるのは、銀行・証券・保険・ファンド等の“financial counterparty”、及びそれ以外の事業者である“non-financial counterparty”共々、店頭デリバティブ取引の想定元本(グロス)の過去12ヶ月間の月末残高平均が、一定額(清算集中閾値)を超える事業者に限られる。

◆また、EMIR清算集中義務の対象となる店頭デリバティブ取引は、一定のクラス(対象クラス)に限られる。

◆グループ内のスワップハウスを経由して、EU拠点のカウンターパーティと店頭デリバティブ取引(対象クラスに限られる)を行っている日本の金融グループは、当該スワップハウスがEMIR清算集中義務の域外適用の対象となる可能性を考慮しながら、ポジション管理をすることが求められる。

◆ここで留意すべき点は、当該スワップハウス等による店頭デリバティブ取引が、IFRSの定めるヘッジ会計の要件を満たす「ヘッジ目的」のものであれば、清算集中閾値の計算への算入は不要ということである。

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