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バーゼルⅢへの対応状況(2016年6月末時点)

モニタリング結果の公表(第11回):内部留保の積立でクリア可能か

金融調査部 主任研究員 鈴木 利光

サマリー

◆2017年2月28日、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、「バーゼルⅢモニタリングレポート」を公表している。


◆今回のモニタリングの対象となった銀行(金融機関)は、全部で210である。


◆最低所要水準と資本保全バッファーの合計に対する資本不足額は、グループ1(Tier 1資本30億ユーロ超の国際的に活動する銀行(金融機関))全体で48億ユーロ、うちG-SIBs30行だけで9億ユーロ、グループ2(その他すべての銀行(金融機関))で50億ユーロと、決して少ないとは言えない水準である。


◆ただし、その推移を見ると、前回に比して、グループ1全体で約45%の減少、うちG-SIBs30行で約47%の減少、グループ2で約22%の減少となっていることから、このままのペースで行けば2019年の完全実施までには資本不足額はゼロに達することが期待される。


◆また、資本不足額を解消する方法としては、主として現状のペースで内部留保を積み立てていくことにより、2019年の完全実施までにその大部分を補うことが可能となりそうなことが窺われる。


◆というのは、グループ1及びグループ2の銀行(金融機関)の双方において、規制資本の8割超を占めているCET 1の相当程度(グループ1においては57.0%、グループ2においては38.5%)を内部留保が占めているためである。


◆なお、今回のモニタリングは、2015年末までに合意された規制のみが考慮されている。そのため、今回より新たに、G-SIBs向けの追加規制であるTLACがモニタリング対象に追加されている。これに対して、「トレーディング勘定の抜本的見直し」(FRTB) 、簡素で、透明性が高く、比較可能(STC)な証券化商品の取扱い、そしてTLAC保有のダブルギアリングについては、今回のモニタリング対象には含まれていない。もっとも、FRTBについては、特別に、FRTB単独でもたらす最低所要自己資本への影響に関する統計結果を公表している。

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