2014年06月20日
サマリー
◆ここもと、巨大金融機関を対象とした新たな自己資本比率規制に関する議論が注目されている。その議論とは、“GLAC(Gone concern Loss Absorbing Capacity)”である。
◆GLACは、G-SIFIs(グローバルなシステム上重要な金融機関)の破綻処理時の損失吸収力の充実方法についての議論である。金融機関の破綻処理枠組みが各管轄でまちまちである現状にかんがみ、金融安定理事会(FSB)が2013年9月のG20サンクトペテルブルク・サミットにて報告し、承認されている。
◆GLACの内容は「ベイルイン債務」である。GLACに具体的に何が含まれるのかは、非常に重要なポイントになる。
◆仮にGLACがバーゼルⅢ適格の負債性その他Tier1及びTier2に限られるとした場合、G-SIBsは今後バーゼルⅢ適格の劣後債の発行を一定額以上求められることが考えられる。もっとも、仮にGLACが預金保険制度の対象外の預金(非付保預金)をも包含するとした場合、そうした資本調達手段の新規発行の必要はなくなるだろう。
◆GLACの最低必要水準については、バーゼル規制の2倍持つべきという主張もされているようである。
◆仮に、ベースをバーゼルⅢにおける自己資本比率の最低所要水準(8%)に資本保全バッファー(普通株式等Tier1で2.5%)を合わせた10.5%とした場合、その2倍は21%である。
◆FSBは、本年11月のG20ブリスベン・サミットにてGLACの定義やその最低必要水準について報告書を提出した後、これを市中協議に付すとともに、定量的影響度調査(QIS)を実施する予定である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
自己資本比率規制における内部格付手法の影響
内部格付手法採用行は自己資本比率の分母を7割程度に圧縮
2025年03月10日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
-
SFDRのQ&A、9条ファンドの要件緩和へ
「格下げ」のトレンドは終焉し、パッシブ・ファンドが増加するか
2023年05月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

