2013年03月18日
サマリー
◆2013年2月15日、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)と証券監督者国際機構(IOSCO)は、「中央清算されないデリバティブ取引に係る証拠金規制」の第二次市中協議文書(CD)を公表している
◆CDは、2012年7月に公表された第一次市中協議文書に寄せられたコメントの慎重な検討及び定量的影響度調査(QIS)の結果を踏まえ、最終案に近い政策的枠組みを示したものである。CDへのコメント提出は2013年3月15日に締め切られている。
◆第一次市中協議文書は、G20の要請を踏まえ、システミック・リスクの低減及び中央清算の促進を目的として、中央清算されないデリバティブ取引について一定の証拠金(当初証拠金及び変動証拠金)の授受を求めることを提案したものである(この大枠は、CDにあっても変更されていない)。
◆CDにおける第一次市中協議文書からの主な変更点としては、①現物決済を伴う為替フォワード・スワップを適用除外とすべきか否かを検討していること、②当初証拠金に5,000万ユーロを上回らない額の閾値(スレッショルド)が設定されること、③一定の要件を満たす限定的な場合に限って、当初証拠金として受領した担保資産の再担保を許容すべきか否かを検討していること、④当初証拠金に係る規制については、中央清算されないデリバティブ取引の想定元本の規模に応じて、2015年から2019年にかけて段階的に実施されること、⑤中央清算されないデリバティブ取引の想定元本残高(前年直近3ケ月の月末平均)が80億ユーロ未満の取引主体については、証拠金規制は適用されないこと、の5点が挙げられるものと考えられる。
◆これらは、いずれも第一次市中協議文書からの緩和と言えるものであり、市場参加者にとっては歓迎すべきものであろう。
◆もっとも、これらのうち、①と③の結論については、最終報告の公表(公表予定時期は不明)を待たねばならず、より慎重な検討がなされることになろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
自己資本比率規制における内部格付手法の影響
内部格付手法採用行は自己資本比率の分母を7割程度に圧縮
2025年03月10日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
-
SFDRのQ&A、9条ファンドの要件緩和へ
「格下げ」のトレンドは終焉し、パッシブ・ファンドが増加するか
2023年05月25日
最新のレポート・コラム
-
2026年5月全国消費者物価
エネルギーのマイナス幅縮小も、食料等の非耐久財の伸び率は縮小
2026年06月19日
-
「食料品の消費税率1%+中低所得勤労者への所得連動給付」案が軸に
先行導入の所得連動給付は年間給与所得対比+0.4%程度の可能性
2026年06月19日
-
中東向け乗用車輸出の激減は日本経済のリスクとなるか
国内販売と他地域向け輸出が生産下支えも、代替ルート開拓が課題
2026年06月19日
-
投資信託へのプライベートアセットの組入れ
制度設計上の論点と欧州・長期投資ファンド(ELTIF)からの示唆
2026年06月18日
-
AIガバナンスの深化とフィロソフィ経営
2026年06月19日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

