2011年10月28日
サマリー
◆両会合の主な目的は、(1)ギリシャ支援策、(2)EFSF の機能拡充、(3)欧州銀行の資本増強という3つのアジェンダ(すべてが有機的に関連している)について、大枠で合意することである。
◆本稿のテーマである、(3)欧州銀行の資本増強は、対象行70行につき、2012年6月30日までに、自己資本比率を「一時的に」、ソブリン債のエクスポージャーを2011年9月30日時点の時価評価に基づいて織り込んだ(減損した)上で、コアTier1 比率を9%まで引き上げることに合意している。
◆自己資本比率の引き上げの方法は、民間による資本増強、公的資本注入(加盟国単位)、EFSFの活用の順に検討することとしている(未達成期間の配当・ボーナス制限あり)。
◆「コアTier1」の定義は、バーゼルⅢにおけるそれではなく、2011年7月のEU ストレステストにおけるそれと概ね同一のものとしている。
◆民間による資本増強の方法としては、(「増資」とは呼べない)資産売却(すなわち、自己資本比率の算出における分母の縮小)によることも認められる。ただし、銀行は、民間による資本増強の方法につき、管轄の規制当局の承認を得なければならない。
◆最終的な資本不足額は、2011年9月30日時点の統計を基に、2011年11月半ばに公表される予定である。それに基づく各行の対応(民間による資本増強が可能か、それとも公的資金注入やEFSFの活用が必要か)を注視することで、今回の欧州銀行資本増強プログラムの実施状況が見えてくるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
自己資本比率規制における内部格付手法の影響
内部格付手法採用行は自己資本比率の分母を7割程度に圧縮
2025年03月10日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
-
SFDRのQ&A、9条ファンドの要件緩和へ
「格下げ」のトレンドは終焉し、パッシブ・ファンドが増加するか
2023年05月25日
最新のレポート・コラム
-
2026年5月全国消費者物価
エネルギーのマイナス幅縮小も、食料等の非耐久財の伸び率は縮小
2026年06月19日
-
「食料品の消費税率1%+中低所得勤労者への所得連動給付」案が軸に
先行導入の所得連動給付は年間給与所得対比+0.4%程度の可能性
2026年06月19日
-
中東向け乗用車輸出の激減は日本経済のリスクとなるか
国内販売と他地域向け輸出が生産下支えも、代替ルート開拓が課題
2026年06月19日
-
投資信託へのプライベートアセットの組入れ
制度設計上の論点と欧州・長期投資ファンド(ELTIF)からの示唆
2026年06月18日
-
AIガバナンスの深化とフィロソフィ経営
2026年06月19日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

