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欧州銀行、資本増強でコアTier1 比率9%以上へ

欧州金融財政危機:一時的な自己資本比率の引き上げを2012年6月末までに

金融調査部 主任研究員 鈴木 利光

サマリー

◆2011年10月26日、昨今の欧州金融財政危機に対する包括的な対応策を決定すべく、EU27カ国首脳会合及びユーロ圏17カ国首脳会合が開催された。

◆両会合の主な目的は、(1)ギリシャ支援策、(2)EFSF の機能拡充、(3)欧州銀行の資本増強という3つのアジェンダ(すべてが有機的に関連している)について、大枠で合意することである。

◆本稿のテーマである、(3)欧州銀行の資本増強は、対象行70行につき、2012年6月30日までに、自己資本比率を「一時的に」、ソブリン債のエクスポージャーを2011年9月30日時点の時価評価に基づいて織り込んだ(減損した)上で、コアTier1 比率を9%まで引き上げることに合意している。

◆自己資本比率の引き上げの方法は、民間による資本増強、公的資本注入(加盟国単位)、EFSFの活用の順に検討することとしている(未達成期間の配当・ボーナス制限あり)。

◆「コアTier1」の定義は、バーゼルⅢにおけるそれではなく、2011年7月のEU ストレステストにおけるそれと概ね同一のものとしている。

◆民間による資本増強の方法としては、(「増資」とは呼べない)資産売却(すなわち、自己資本比率の算出における分母の縮小)によることも認められる。ただし、銀行は、民間による資本増強の方法につき、管轄の規制当局の承認を得なければならない。

◆最終的な資本不足額は、2011年9月30日時点の統計を基に、2011年11月半ばに公表される予定である。それに基づく各行の対応(民間による資本増強が可能か、それとも公的資金注入やEFSFの活用が必要か)を注視することで、今回の欧州銀行資本増強プログラムの実施状況が見えてくるだろう。

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