米国、大手金融機関の破綻、公的資金使わず

システミック・リスク対策、「大き過ぎて潰せない」金融機関の破綻処理に関する草稿公表

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2009年10月27日、米国下院金融サービス委員会と米国財務省は共同で、金融のシステミック・リスク対策と「大き過ぎて潰せない」金融機関の破綻処理に関する法律の草案を公表した。

◆「金融安定化改善法(案)」と名づけられたこの草案は、(1)金融のシステミック・リスクを監視するための「金融サービス監督協議会」の新設、(2)銀行持株会社規制の調和・統合による規制の裁定防止、(3)金融システムに対して重大なリスクをもたらす企業又は行為に対する厳格かつ包括的な監視、(4)「大き過ぎて潰せない」金融機関の破綻処理、(5)FRB の緊急貸出措置に対する説明責任、(6)信用リスク保有の義務付けを柱としている。

◆上記(4)は、従来「大き過ぎて潰せない」とされてきた金融機関が破綻の危機に瀕した場合の破綻処理を定めている。破綻処理にともなう費用は株主と金融界が負担することとし、公的資金を導入することで納税者にウォール街のビジネス判断に対する責任を負わせるという慣行とははっきりと決別する立場をとっている。この草案では、資産100億ドル以上の金融機関は競合他社の破綻費用を負担することとしている。

本レポートは、サマリーのみの掲載とさせて頂きます。

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