決算短信、大幅簡素化へ

サマリーのみの開示も可。コメントの最後の機会

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2016年11月16日

  • 吉井 一洋

サマリー

◆2016年10月28日、東京証券取引所(東証)は「決算短信・四半期決算短信の様式に関する自由度の向上について」を公表した。これは、同年4月18日に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告(以下「ディスクロWG報告」)を受けて決算短信・四半期決算短信の様式の見直しを行うものである。


◆ディスクロWG報告では、見直しの方向性として、監査・四半期レビューが不要なことの明確化、速報性に着目した記載内容の削減、開示を要請している事項の限定等による自由度の向上を示している。サマリー情報については開示が義務であることについて要請に改め、サマリー情報のみの開示(財務諸表や主要な注記なし)も認めることとしている。


◆東証のパブコメでは、このうち上場規程改正による部分(サマリー情報の開示の義務化を要請に改める部分)のみをコメントの対象として示しており、開示要請項目の見直し部分は含めていない。しかし、今後のスケジュール等を考えると、財務情報の利用者が、決算短信・四半期決算短信のあり方にコメントができるラストチャンスであろう。

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