金融商品会計-減損処理の見直し

減損損失の認識要件(トリガー)、減損処理後の戻入れの見直しへ

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2009年07月29日

  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆企業会計基準委員会(ASBJ)は、2009年5月29日付にて「金融商品会計の見直しに関する論点の整理」を公表した。この論点整理は、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)が共同で進める金融商品会計における現行規準の置換えのプロジェクトに呼応し、2011年を念頭に置いた我が国の会計基準の見直しの可能性について、議論の整理を図ることを目的としている。

◆「【論点2】金融商品の測定」のうち「[論点2-4]減損処理の取扱い」では、有価証券の減損処理について公正価値の下落を減損損失の認識要件(トリガー)とする枠組み(「下落率50%以上云々」という数値基準を含む)を維持するか、減損処理後の会計処理として(例えば満期保有目的の債券につき)減損損失の戻入れを認めるか、などを(1)有価証券の減損処理、(2)債権の減損処理、(3)減損処理後の会計処理といった項目に分け、検討している。

◆今後の方向性として、国際的な会計基準の動向も考慮しながら、減損処理のアプローチ(減損処理の意味、減損損失の認識要件(トリガー)、減損損失の測定方法等)について見直しの検討を行うこととしている。

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