金融商品会計—保有目的区分の変更

満期保有目的の債券への振替に係る時限措置、範囲拡張の上で恒常化?

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2009年07月23日

  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆企業会計基準委員会(ASBJ)は、2009年5月29日付にて「金融商品会計の見直しに関する論点の整理」を公表した。この論点整理は、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)が共同で進める金融商品会計における現行基準の置換えのプロジェクトに呼応し、2011年を念頭に置いた我が国の会計基準の見直しの可能性について、議論の整理を図ることを目的としている。

◆「【論点2】金融商品の測定」のうち「[論点2-3]保有目的区分の変更」では、「[論点2-1]測定区分の見直し」で金融消商品の評価区分を現行どおり保有目的区分とすることを前提とした上で、我が国の会計基準と国際的な会計基準における有価証券の保有目的区分の変更ルールを確認している。

◆今後の方向性として、●昨今の金融危機への緊急対応の一環として2008年12月5日に公表された時限措置、実務対応報告第26号「債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い」を継続的な取扱いとすべきか、●その他有価証券から満期保有目的の債券への変更について、現行では「稀な場合」にのみ認められているが、それ以外の場合にまで拡張すべきか、といった点を検討することとしている。

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