サマリー
◆2019年9月の非農業部門雇用者数は前月差+13.6万人と、市場予想(Bloomberg調査:同+14.5万人)を下回った。ただし、過去分に関しては、7月分(同+15.9万人→+16.6万人)、8月分(同+13.0万人→+16.8万人)と2ヵ月合計で+4.5万人の上方修正となった。また、家計調査による9月の失業率は前月差▲0.2%ptの3.5%と、1969年12月以来の低水準となった。こうした過去分の上方修正や、歴史的低水準の失業率も含めれば米国の雇用環境は十分底堅い。
◆賃金に関しては、9月の民間部門の平均時給は前月から概ね横ばいとなり、市場予想(Bloomberg調査:同+0.2%)を下回る結果となった。ただし、2019年5月以降、前月比で0.3%程度の増加ペースを続けてきたことを踏まえれば、9月は小休止といえる。加えて、賃金上昇率に先行する「自発的失業」が失業者全体に占める割合も上昇しており、賃金の先行きに関して過度な懸念は必要ない。
◆9月のISM景況感指数の悪化を受け、10月のFOMCで年内3度目となる利下げが行われることへのマーケット参加者の期待は高い。今回の雇用統計の結果を受けても、大勢は利下げを期待したままである。利下げに関連して、10月10日には9月のCPI、11日には10月のロイター/ミシガン大学消費者センチメント(速報値)と重要な経済指標が控える。経済指標以外でも、米中通商交渉が10月10日にワシントンで開催される予定である。10月のFOMCまで予断を許さない日々は続く。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
GENIUS法、銀行とステーブルコインの邂逅
ステーブルコインは支払決済手段として普及するのか?
2025年08月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日