オバマケアからトランプケアへ向かう米国

トランプ政権がオバマケア撤廃・置換へと公約の有言実行を目指す

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2017年04月25日

  • ニューヨークリサーチセンター 上野 まな美

サマリー

◆2017年1月に就任した共和党のトランプ大統領の政策は、民主党のオバマ前大統領の政策と相反する点が多い。オバマケアの撤廃と置換は、トランプ大統領の公約の一つであり、最優先課題としている。


◆オバマケアが成立以後、オバマケアの撤廃を求める声は消えていない。オバマケアによって無保険者率が下がった反面、医療保険取引所で販売される医療保険料は値上がりし、オバマケアから撤退する保険会社も出ている。


◆トランプ大統領は就任初日に、オバマケアの撤廃と置換という公約の有言実行を目指して最初の大統領令に署名した。3月には、下院共和党がオバマケアを撤廃し置き換える「アメリカン・ヘルスケア法案」を提出し、その動きは着々と進んでいるようにみえた。


◆結局、アメリカン・ヘルスケア法案は、下院本会議での採決に持ち込まれずに撤回されたが、トランプ大統領と共和党のライアン下院議長は、近い将来により良い法案を作成し、今後も医療保険制度改革を継続すると述べている。オバマケアの撤廃と置換の動きは、引き続き注目していく必要があろう。

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