サマリー
◆2017年1月に就任した共和党のトランプ大統領の政策は、民主党のオバマ前大統領の政策と相反する点が多い。オバマケアの撤廃と置換は、トランプ大統領の公約の一つであり、最優先課題としている。
◆オバマケアが成立以後、オバマケアの撤廃を求める声は消えていない。オバマケアによって無保険者率が下がった反面、医療保険取引所で販売される医療保険料は値上がりし、オバマケアから撤退する保険会社も出ている。
◆トランプ大統領は就任初日に、オバマケアの撤廃と置換という公約の有言実行を目指して最初の大統領令に署名した。3月には、下院共和党がオバマケアを撤廃し置き換える「アメリカン・ヘルスケア法案」を提出し、その動きは着々と進んでいるようにみえた。
◆結局、アメリカン・ヘルスケア法案は、下院本会議での採決に持ち込まれずに撤回されたが、トランプ大統領と共和党のライアン下院議長は、近い将来により良い法案を作成し、今後も医療保険制度改革を継続すると述べている。オバマケアの撤廃と置換の動きは、引き続き注目していく必要があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米失業率は4.6%に上昇
2025年10・11月米雇用統計:政府閉鎖の影響を踏まえ、慎重な評価が必要
2025年12月17日
-
米銀最大手、9.7兆ドルの国債保有増加余地
レバレッジ比率緩和、米国国債市場の機能改善をもたらすか
2025年12月16日
-
FOMC 3会合連続で0.25%の利下げを決定
2026年は合計0.25%ptの利下げ予想も、不確定要素は多い
2025年12月11日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

