サマリー
◆2016年11月の選挙によって、大統領所属政党および上下院の多数党を全て共和党が確保したため、議会運営がスムーズになるとの見方がこれまで優勢となってきた。しかし、オバマケアの廃止・置き換え法案が、共和党内からの反対によって採決にすら至らなかったことで、トランプ政権は政策遂行能力の低さを露呈し、先行きの政策に対する疑念は大きく高まった。
◆トランプ政権は、今後の政策の優先課題として、減税を中心とした税制改革に軸足を移していくとみられる。しかし、日程が後ずれする公算が大きくなっているのに加えて、共和党内での意見調整の難しさによって、税制改革などの経済政策による景気刺激効果は期待していたほどにはならない可能性がある。
◆短期的には、政策に対する期待感が剥落することで、大統領選挙以降、上昇してきた株価や、企業および消費者のマインドが腰折れする可能性には一定の注意が必要と考えられる。だが、これまで企業や消費者のマインドが改善基調を強めたのとは裏腹に、ハードデータに見る実体経済面での改善は緩慢なものに留まってきた。マインド悪化による影響も限定的なものとなると考えられ、過度に悲観視する必要はないだろう。
◆足下までの経済統計を踏まえると、個人消費が前期比年率1%を下回る低い伸びとなることを主因に、2017年1-3月期の実質GDP成長率は同+1%台前半へと減速したとみられる。しかし、雇用・所得環境の着実な改善などに鑑みると、1-3月期の個人消費の減速は一時的なものとなると見込まれ、4-6月期には再び、個人消費を中心に成長率が加速すると見込む。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米雇用者数は減少、過去分も大幅に下方修正
2026年7月米雇用統計:失業率は低下も、労働参加率の低下に懸念
2026年08月10日
-
米国:AIで代替される雇用者はいかほどか
直近で4%、AI活用が広がれば11%の雇用者が特に代替されやすい
2026年08月05日
-
米GDP 前期比年率+1.5%と減速
2026年4-6月期米GDP:内需は堅調も輸入が下押し
2026年07月31日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

