サマリー
◆2017年3月14日~3月15日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを0.25%pt引き上げ、0.75-1.00%とすることが決定された。金融市場は今回のFOMCでの利上げを事前に織り込んでおり、想定通りの結果であった。
◆今回の声明文では、経済の現状認識は、「経済活動は緩やかなペースで拡大し続けた」とされ、前回声明文から据え置きとなった。他方、インフレ率に関する記述が上方修正され、インフレ目標の達成が近づいていることが明示された。
◆今回公表されたFOMC参加者による経済見通しは、2016年12月会合で公表された前回の見通しから全般的に軽微な変更に留まった。FOMC参加者の政策金利の見通しに関しても修正は軽微であり、2019年末まで毎年3回程度(2019年内の上昇幅は0.875%ptであり、3~4回)の利上げを見込む結果となった。
◆FRBにおけるデュアルマンデートである雇用の最大化、物価の安定は、両者とも達成されつつある。今後も経済がFOMC参加者の見通しに沿って推移すれば、政策金利は徐々に引き上げられていくことになるとみられるが、FOMC参加者による経済見通しは市場予想と比較しても保守的であり、達成のハードルは高くないだろう。
◆とりわけ2018年の経済成長率見通しは、国際機関などに比べても控えめとなっている。主な要因は財政政策の織り込み度合いと考えられ、仮に減税やインフラ投資などの景気刺激的な政策が実行に移され、景気の押し上げに作用することになれば、利上げペースが速められる可能性も十分にあろう。
◆巨大なバランスシートを維持しつつ利上げを続ければ、超過準備に対する利払いの増加など、FRBにとっての弊害が大きくなるため、バランスシート縮小に着手する必要性は高まる。バランスシート縮小については今後の会合で議論を続けることが表明されたが、開始する時期は着実に近づいていると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年の米金融政策の注目点
利下げタイミングや回数、中立金利の変化、次期議長の影響に注目
2025年12月26日
-
米GDP 前期比年率+4.3%と加速
2025年7-9月期米GDP:個人消費が全体をけん引
2025年12月24日
-
2026年の米国経済見通し
底堅くも脆い「K字経済」は続く
2025年12月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

