FOMC 次回利上げのヒントは示されず

全会一致で現状維持を決定、経済認識もほとんど修正されず

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2017年02月02日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2017年1月31日~2月1日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジは0.50-0.75%で維持されることが決定された。今回のFOMCでは政策金利が据え置かれるとの見方が市場の大勢を占めていたため、想定通りの結果である。


◆声明文における経済の現状認識は、「経済活動は緩やかなペースで拡大し続けた」とされ、基本的な景気認識には変更がなかった。個別項目では、「消費者と企業の景況感に関する指標は最近上向いた」との表現が今回新たに声明文に追加されている。個人消費や設備投資の実体面に関する評価は前回会合からほとんど変わっていないものの、マインド面の改善が盛り込まれ、明るさが増す表現になった。


◆今回のFOMCでは、次回の利上げタイミングを示唆する内容は声明文に盛り込まれなかった。経済の現状認識や見通しがほとんど修正されておらず、FOMC参加者の利上げペースに関する見方は前回の2016年12月会合から大きくは変化していないと考えられる。


◆前回のFOMCの議事録によれば、FOMC参加者内で財政政策に関する意見の統一が十分に図られていないことが明らかになっている。一般教書、予算教書を経て、財政政策の詳細は徐々に明らかになるとみられ、これらの内容次第によってFOMC参加者の経済見通し、および今後の利上げペースの見方は修正されることになろう。


◆また、このところトランプ大統領がドル高をけん制する姿勢を強めていることは、追加利上げを先送りする要因になり得る。FRBとしては、金融政策運営は政治動向に左右されないという従来のスタンスを貫くと考えられるが、政権からの無用な批判や、それに伴う市場の混乱を回避するために、追加利上げに対して慎重になる可能性があるだろう。

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