サマリー
◆2016年11月8日に一般投票が行われた米国大統領選挙では、民主党クリントン氏の優勢という事前の世論調査を裏切る形で共和党トランプ氏が勝利し、第45代大統領に就任することが決定した。
◆同日行われた連邦議会選挙では、下院において事前予想通りに共和党が過半数を維持したことに加えて、上院においても共和党が過半数を確保する結果となった。大統領と上下両院はすべて共和党が手中にし、法律が成立し易くなったことになる。
◆経済にマイナスの影響を与える可能性があること、共和党が掲げてきた政策と相容れないものが含まれているということから、トランプ新大統領がこれまで主張してきた政策が全てそのまま実現する可能性は低いと考えられる。議会共和党が財政赤字の拡大をどこまで容認するかというのが、今後の政策の実現性を占う上で重要な要素となろう。
◆短期的には12月のFOMC(連邦公開市場委員会)における利上げの可能性は大幅に低下したと考えられる。ただし、2017年中の利上げの必要性と、利上げを控える要因があることを踏まえると、FRBにとって12月は可能であれば利上げを目指したいだろう。2017年は市場動向に加えて新大統領の政策と議会の関係を踏まえた柔軟な対応になると予想される。
◆荒唐無稽な発言が含まれるトランプ新大統領が、大統領就任後に現実路線に転換するかどうかが当面の最大の注目点となる。政治経験のない新大統領を支える閣僚やブレーンなどのスタッフがどうなるかが短期的な話題となろう。2017年1月と2月に予定される大統領就任演説、一般教書、予算教書の中身を議会がどのように評価するかで、米国経済を浮揚させることも停滞させることもあり得ることになる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米雇用者数が大幅減となった背景は?
2026年2月米雇用統計:もともとの軟調さに加え、寒波・ストライキが下押し
2026年03月09日
-
米国経済見通し IEEPA関税は無効化
景気・インフレへの悪影響は緩和も、財政は悪化し不確実性は増す
2026年02月25日
-
米GDP 前期比年率+1.4%と減速
2025年10-12月期米GDP:政府閉鎖の影響、個人消費も減速
2026年02月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

