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トランプ新大統領の今後の注目点

大統領就任後に良好な対議会関係を築き、現実路線に転換するか

2016年11月10日

ニューヨークリサーチセンター エコノミスト(NY駐在) 橋本 政彦

金融調査部 主任研究員 土屋 貴裕

サマリー

◆2016年11月8日に一般投票が行われた米国大統領選挙では、民主党クリントン氏の優勢という事前の世論調査を裏切る形で共和党トランプ氏が勝利し、第45代大統領に就任することが決定した。


◆同日行われた連邦議会選挙では、下院において事前予想通りに共和党が過半数を維持したことに加えて、上院においても共和党が過半数を確保する結果となった。大統領と上下両院はすべて共和党が手中にし、法律が成立し易くなったことになる。


◆経済にマイナスの影響を与える可能性があること、共和党が掲げてきた政策と相容れないものが含まれているということから、トランプ新大統領がこれまで主張してきた政策が全てそのまま実現する可能性は低いと考えられる。議会共和党が財政赤字の拡大をどこまで容認するかというのが、今後の政策の実現性を占う上で重要な要素となろう。


◆短期的には12月のFOMC(連邦公開市場委員会)における利上げの可能性は大幅に低下したと考えられる。ただし、2017年中の利上げの必要性と、利上げを控える要因があることを踏まえると、FRBにとって12月は可能であれば利上げを目指したいだろう。2017年は市場動向に加えて新大統領の政策と議会の関係を踏まえた柔軟な対応になると予想される。


◆荒唐無稽な発言が含まれるトランプ新大統領が、大統領就任後に現実路線に転換するかどうかが当面の最大の注目点となる。政治経験のない新大統領を支える閣僚やブレーンなどのスタッフがどうなるかが短期的な話題となろう。2017年1月と2月に予定される大統領就任演説、一般教書、予算教書の中身を議会がどのように評価するかで、米国経済を浮揚させることも停滞させることもあり得ることになる。

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