FOMC インフレ加速で利上げに向け前進

「さらなる証拠を待つ」スタンスは維持

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2016年11月04日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦
  • 土屋 貴裕

サマリー

◆2016年11月1日~2日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを0.25-0.50%で維持する決定が行われた。また、FRB(連邦準備制度理事会)が保有する資産の規模は、現状の水準を維持することが決定された。今回のFOMCでは政策金利が据え置かれるとの見方が市場の大勢を占めていたため、想定通りの結果であった。


◆声明文における経済の現状認識は、「経済活動の拡大は今年前半に見られた緩やかなペースから加速した」とされ、前回声明文と同様の表現となった。声明文全体としての変更は軽微なものとなったが、インフレ率に対する見方が、現状、先行きともに上方修正された。


◆追加利上げに向けては、「さらなる証拠を待つ」というスタンスが据え置かれた。ただし、「FFレートを引き上げる根拠は引き続き強まった(has continued to strengthen)」とされ、前回会合時から一層、利上げに向けて前進したことが明示された。


◆今回、声明文でインフレ率に関する見方が上方修正されたことで、これまで追加利上げに慎重だったFOMC参加者が、利上げ賛成に転換する材料は揃いつつある。大統領選挙後に政治や金融市場が不安定化したり、12月のFOMCまでに公表される経済統計が極端に落ち込むようなことがない限り、12月のFOMCで1年ぶりの利上げが決定される可能性が高いだろう。

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