サマリー
◆2016年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.2%となった。市場予想を大幅に下回る成長率となり、期待外れの結果であったと言える。需要項目のうち、個人消費は同+4.2%と概ね市場予想通りにGDP成長率を押し上げたが、設備投資、住宅投資、在庫投資、政府支出が前期から減少し全体を押し下げた。
◆今回の結果では、個人消費主導の成長が確認され、景気の腰折れを心配するほど悪い内容ではない。しかし、個人消費以外の内需が軒並み減少している点については、言うまでもなくネガティブである。在庫の減少を在庫調整の進展と捉えれば、来期以降の成長を押し上げる要因と考えることもできるが、過度に楽観視すべきではないだろう。
◆米国経済の先行きについては、引き続き個人消費主導の緩やかな景気拡大が続くという見方に変更はない。ただし、今回、4-6月期の成長率が想定以上に低くなったことに加えて、暦年の発射台となる1-3月期の成長率も下方修正されたことから、2016年の実質GDP成長率は3年ぶりに2%を割り込む低成長となる公算が大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+13.9万人
2025年5月米雇用統計:緩やかな悪化に留まっていることを示唆
2025年06月09日
-
米国経済見通し 米中デタントも、景気は減速へ
財政悪化と学生ローン政策の変更が景気を一層減速させるリスク要因
2025年05月23日
-
FOMC 様子見姿勢を強調
景気・インフレに加え、金融環境の変化が利下げのタイミングを左右
2025年05月08日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日