FOMC スタンスはBrexit前に戻りつつある

経済の現状認識を上方修正し、見通しの短期的なリスクは縮小

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2016年07月28日

  • 土屋 貴裕
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2016年7月26日-27日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、FF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを0.25-0.50%で維持する決定が行われた。今回のFOMCでは利上げ見送りとの見方が市場の大勢を占め、想定通りの結果である。


◆声明文では、6月分の雇用統計で確認された労働市場の改善を背景に経済全体の評価が上方修正された。先行きについての見方は大きく変わらなかったものの、短期的なリスクが縮小していることが明示された。


◆FOMC参加者は、個人消費を中心とした米国経済の先行きの強さに対する信認を取り戻し、緩やかな利上げスタンスが維持されていると言えよう。ただし、Brexitの影響を測るために、経済統計の公表を待ち、金利や為替などの市場動向を見極める必要がある。


◆大統領選の帰趨の見極めも必要であり、追加利上げのためにはインフレ動向への評価が課題であることは変わらない。内需の堅調さを背景にしたインフレ率の上昇を確認してから、年末にかけて利上げスタンスを積極化させることになろう。

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