FOMC 12月の利上げを市場に打診

経済指標次第だが、利上げに向けた条件は12月に揃うか

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2015年10月29日

  • 土屋 貴裕
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2015年10月27日-28日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、事実上のゼロ金利政策を維持し、保有する資産規模を維持することを決定した。利上げ開始に対する明確なシグナルはなかったが、12月会合で利上げを検討することが明示された。


◆今回の声明文では、個人消費、設備投資への評価が変更され、やや明るい印象となった。雇用では改善ペースの鈍化に言及したが、改善が続いているとの判断が据え置かれた。また、前回追加された海外経済・金融市場のリスクに関する記述の一部は削除された。


◆このところ低迷しているインフレ率は、原油価格下落によるエネルギーの下押しが主因であり、下押し圧力は年末にかけて縮小する公算である。コア物価の上昇には更なる雇用環境の改善が必要だが、FRBは従来ほど高い雇用の伸びを求めていないとみられる。


◆経済指標、海外経済・市場動向や財政問題などの米国経済を取り巻く環境、市場の織り込みが揃う時にFRBは利上げに着手するだろう。多くのFOMC参加者はそのタイミングは12月と想定し、今回の声明文は12月利上げの可能性を市場に打診したと言えよう。

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