サマリー
◆3月の非農業部門雇用者数は前月から12.6万人増加した。雇用者数の増加ペースは鈍化し、過去分も大幅に下方修正された。業種別では、企業向けサービス、教育・医療、小売などで雇用が増え、鉱業・林業などの雇用者数は減少した。
◆失業率は5.5%と前月と変わらなかった。職探しを始める人が増えなかったことが主要因で、会社都合による失業者が増え、自己都合による失業者は減少し、労働市場の環境悪化が反映された結果となった。経済的理由でのパートタイム就業者は増加した。
◆労働時間は減少し、平均時給の増加は緩やかとなった。暖房需要の増加を映じて、公益などの業種で労働時間、時給が伸びた。一部の地域での寒波の影響に加え、海外経済の軟調やドル高に伴う輸出の鈍化、エネルギー価格低下の影響が表れている。
◆3月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、声明文から、政策変更に「忍耐強く(patient)なれる」という文言が削除され、利上げに向けた地均しが進んだ。金融政策変更に向けて、労働市場の回復基調が失われていないかの確認が続けられるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
非農業部門雇用者数は前月差+13.9万人
2025年5月米雇用統計:緩やかな悪化に留まっていることを示唆
2025年06月09日
-
米国経済見通し 米中デタントも、景気は減速へ
財政悪化と学生ローン政策の変更が景気を一層減速させるリスク要因
2025年05月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日