FOMC 慎重に声明文を変更

最初の利上げと同時に2回目以降の利上げも主要テーマか

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2014年12月18日

  • 土屋 貴裕

サマリー

◆12月開催のFOMC(連邦公開市場委員会)では、事実上のゼロ金利政策の維持を決定した。声明文を、金融政策の正常化を開始するまで「忍耐強く」なれる、という表現に変更したが、過去の声明文を引用する形で「相当な期間継続する」との文言も残した。


◆声明文における経済の現状認識では、労働市場の評価を上方修正し、インフレ動向は下方修正した。インフレ率の下振れはエネルギー価格低下などの一時的要因であるとして、過度に懸念されていない。


◆2015年中の利上げ開始の可能性は高いが、低インフレで利上げを急ぐ必要性は低く、内外の経済指標や市場動向、政治動向を注視する時間的余裕がある。まだFOMC参加者が利上げ開始時期を特定する必要性はないと言える。


◆FOMC参加者の政策金利見通しは、利上げ開始が近いことと同時に、現時点の評価で、2回目以降の利上げサイクルがそれほど急激ではないことを示唆している。最初の利上げのみならず、2回目以降の利上げをどうするかも、主要テーマになりつつあるのだろう。

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