サマリー
◆労働市場では、一部の業種で労働需給が引き締まって賃金が上昇するなど、雇用の質の改善の兆候もある。個人消費や住宅市場は底堅いが、海外経済の減速懸念で企業活動の回復ペースは減速する可能性があり、米国経済が加速するまでには至っていない。
◆10月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、いわゆるQE3(量的緩和第3弾)に伴う資産買い入れ終了が決定された。声明文と同会合の議事録からは、利上げ開始時期は示唆されず、参加者間の議論が分かれていることが示された。
◆中間選挙では共和党が勝利したが、上院で安定多数には届かず、今後はいくつかの政策課題が待ち受けている。議会共和党とオバマ大統領および議会民主党が対立姿勢を強めるのか、譲歩して歩み寄るかが注目されることになろう。
◆政治情勢の変化を受けた財政問題が米国経済にどう影響するかが焦点となる。金融政策の先行きについても、米国経済の新たなデータに加えて、政治情勢の変化が米国経済にどのような影響を及ぼすか、確認する必要があるだろう。
◆7-9月期のGDP成長率が高成長となり、2014暦年の成長率見通しを引き上げた。不透明要因は、利上げ開始時期のほか、中間選挙の結果を踏まえた今後の政治情勢や海外経済の動向となるが、個人消費を中心とする内需は、総じて底堅さを保つことを想定する。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+14.7万人
2025年6月米雇用統計:民間部門の雇用者数は減速も、失業率は低下
2025年07月04日
-
米国経済見通し 駆け込みの反動一巡後の注目点は?
追加関税措置次第となる中、トランプ大統領を“TACO”と嘲るべからず
2025年06月24日
-
FOMC 様子見姿勢を継続
経済指標の基調の捉えにくさと正確性への懸念は利下げ遅延リスクを高める
2025年06月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日