金融政策に影響しない米雇用統計の堅調さ

2014年7月の米雇用統計:堅調な量的改善と不十分な質的改善

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2014年08月04日

  • 土屋 貴裕

サマリー

◆7月の非農業部門雇用者数は前月から20.9万人増加し、失業率は前月から0.1%ポイント上昇して6.2%となった。雇用者数の増加ペースは市場予想を下回り、失業率は市場予想を上回った。


◆雇用者数は幅広い業種で増加し、過去分の上方修正を加味すると市場予想に近い増加幅となる。失業率の上昇は、職探しを再開させるなど、労働市場に参加する人が増えたことが主な背景となる。堅調な改善が続いていると言えよう。


◆長期失業者の比率は、金融危機前の水準からすればなおも高い。パートタイム労働に甘んじている人もなかなか減らず、賃金も伸び悩んでいることは、労働資源の稼働率が低いためだろう。7月の雇用統計は堅調ながらも、労働資源の活用不足を懸念する金融政策を左右する結果ではなかったと言える。

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