景気後退前の水準に戻った米国の雇用者数

2014年5月の米雇用統計:しかし賃金上昇圧力は限定的

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2014年06月09日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2014年5月の非農業部門雇用者数は前月差21.7万人増と、前月(同28.2万人増)から増加幅が縮小したが、4ヵ月連続で20万人台の増加となった。悪天候の下押しやその反動増を経て、なおも雇用の量的改善が続いていることが示された。


◆失業率は6.3%と前月から横ばいで、失業者数は僅かに増加したが、平均失業期間の短縮や、会社都合の失業者数の減少など改善が見られた。また、就業者に関しても、フルタイム就業者数の増加や経済的理由のパートタイム就業者数の減少が確認できた。


◆このように、雇用環境の改善が続いていることを示す内容であったが、依然として賃金上昇圧力は限定的であった。低賃金の雇用が増えているだけでなく、生産部門やサービス部門に分けてもそれぞれの賃金上昇ペースがリーマン・ショック前を下回っていることから、労働市場の需給が十分にタイト化していないとみられる。

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