サマリー
◆2014年4月の非農業部門雇用者数は前月差28.8万人増と大幅に増加し、6ヵ月平均でも同20.3万人増と2013年11月以来の20万人台となった。業種別では引き続きサービス部門が全体の増加をけん引した。また、2008年2月から2010年2月にかけて失われた雇用者数はおおむね元の水準まで戻った。
◆失業率は6.3%と前月から0.4%ポイント減と大幅に低下し、平均失業期間なども短くなった。しかし、背景には労働参加率の低下があり、特に若年層の労働参加率が低下したことなど労働市場の質的改善は依然として十分ではない。
◆パートタイム就業者数は高止まりしており、労働市場の「たるみ」の一つとして注目されている。その中でも経済的理由のパートタイム就業者は循環的要因だけでなく、構造的要因も含まれるとみられる。背景には産業構造の変化による必要なスキルの変化や長期失業によってスキルを失うことなど、スキルによる雇用のミスマッチの存在が指摘できるだろう。
◆雇用の量的改善が続くが、賃金上昇圧力は限定的である。雇用者数増加の産業別偏りだけでなく、企業が必要とするスキルを持たない労働者の供給過多の可能性などが背景にあるとみられる。金融政策を占ううえでは、労働市場の問題としてだけでなく、現在抑制されているインフレ動向の上昇余地を確認する意味でもこうした労働市場の「たるみ」の確認が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国当局、プライベート市場への投資奨励
401kのPEファンド運用解禁、銀行のレバレッジドローンの基準緩和
2026年01月14日
-
非農業部門雇用者数は前月差+5.0万人
2025年12月米雇用統計:FRBは様子見可能と判断か
2026年01月13日
-
2026年の米金融政策の注目点
利下げタイミングや回数、中立金利の変化、次期議長の影響に注目
2025年12月26日
最新のレポート・コラム
-
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日
-
データサイエンスで紐解く健康経営②
運動習慣の定着や食生活改善にアプリ等を活用する際には、ナッジを用いた従業員の参加促進がカギ
2026年01月20日
-
複合危機の今、求められる人権尊重の取組み
第14回国連ビジネスと人権フォーラムで再確認された企業の責任
2026年01月20日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し(更新版)
不動産不況の継続と消費財補助金政策の反動で景気減速へ
2026年01月19日
-
“大寒”の時期に考える温暖化の意外な経済損失
2026年01月19日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

