雇用環境は悪天候により改善ペースが鈍化

2013年12月の米雇用統計:労働参加率の低下トレンドが続く

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2014年01月14日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2013年12月の非農業雇用者数は11月から増加幅が縮小し、前月差7.4万人増であった。前月差の6ヵ月平均は17万人と増加ペースの鈍化が示された。


◆業種別に見ると、悪天候により建設業を筆頭に幅広い業種で雇用者数の増加幅縮小が見られた。年末商戦によって小売業など一部に雇用の増加幅が拡大した業種もあったが、悪天候を除いても雇用の増加ペースは鈍った可能性がある。


◆労働参加率が低下したため、失業率は6.7%と11月から0.3%ポイント低下した。失業率の低下は割り引いて見る必要があるが、長期失業者や会社都合の失業者の減少、賃金の上昇など前向きに捉えられる面もある。


◆64歳以下の労働参加率が低下したことから、さらなる雇用環境の改善が求められる状況だろう。QE3縮小は緩やかに続くことを見込むが、2014年1月には失業保険給付終了や大寒波に伴う失業率のかく乱が予想される。雇用環境の実態を捉えるのが難しいことから、一時的にQE3縮小のペースを変更する可能性も指摘できるだろう。

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