FOMC:QE3の縮小開始決定は大きく先送りか

10月の金融政策は現状維持で、2014年6月のQE3縮小決定を見込む

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2013年10月31日

  • 土屋 貴裕
  • 笠原 滝平

サマリー

◆10月29日から30日にかけて開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)で政策変更はなく、資産買い入れ規模は維持された。現行政策を維持する理由も9月のFOMCと変わらず、今後も経済指標と経済見通しに従うとされた。


◆声明文も大部分に変更はなく、全体の経済活動は緩やかに拡大していると判断された。住宅市場の回復がここ数ヵ月で幾分か鈍化していると下方修正されたが、連邦政府の一部閉鎖などが生じた財政に関する文言に変更はなかった。


◆前回の声明文に記載されていた金利上昇を懸念する一文が削除された。5月以降の金利上昇はFRBによるコミュニケーションが不足していた可能性があり、次期議長の承認プロセスである、上院公聴会におけるイエレン副議長の発言が注目されよう。


◆2013年中の資産買い入れ規模の縮小が困難になり、決定は2014年に先送りされるとみられる。もっとも、2014年入り後も、3月にかけて債務上限問題などの財政問題が話題となる可能性があり、6月のFOMCで資産買い入れ規模の縮小が決定されると見込む。

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