サマリー
◆2013年7月の非農業雇用者数は6月から増加幅が縮小し、前月差16.2万人増となった。6ヵ月平均で見れば、前月差20万人増程度となっている。雇用環境は緩やかに改善しているとの見方に変更はない。
◆業種分類別に見ると、政府部門は地方政府の雇用拡大などにより増加に転じ、民間・サービス部門は引き続き全体を押し上げた。一方で、民間・生産部門では、自動車関連が全体を牽引したものの、製造業全体では雇用吸収力が依然として弱いことが浮き彫りになった。
◆失業率は7.4%と6月から0.2%ポイント低下した。就職を諦めた者の増加も押し下げに働いたが、同様に就業者数の増加も押し下げに寄与しており、前向きに評価できるだろう。会社都合の失業者の減少や、失業期間の短縮など、質的改善の兆しが見られる。
◆ただし、労働参加率は依然として低水準で、失業率低下のわりには賃金が上昇していない。質的改善は緒に就いたばかりで、労働市場の需給は十分引き締まっているとは言えないだろう。今後の金融政策を占ううえでも、労働市場の量的・質的改善がどの程度進むかに注目したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
FOMC 様子見姿勢を強調
景気・インフレに加え、金融環境の変化が利下げのタイミングを左右
2025年05月08日
-
非農業部門雇用者数は前月差+17.7万人
2025年4月米雇用統計:景気への不安が高まる中で底堅い結果
2025年05月07日
-
米GDP 前期比年率▲0.3%とマイナスに転換
2025年1-3月期米GDP:追加関税を背景とした駆け込み輸入が下押し
2025年05月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日