サマリー
◆政策変更はなく、事実上のゼロ金利政策と「QE3(量的緩和第3弾)」は資産買い入れ規模を含めて変更はない。またゼロ金利政策と資産買い入れを継続する期間の指針も変更されず。経済の現状認識は、天候等の一時的要因を理由として下方修正された。
◆討議資料であるベージュブックからは、金融政策の変更は示唆されない。また、これまでの失業率低下ほどは雇用環境が改善しているとは言えず、労働市場発のインフレ圧力は限られる。こうした経済の動向からは、緩和的な金融政策が継続されよう。
◆前回のFOMCでは長期国債購入に対し、メンバーの意見が分かれていることがわかった。今回から投票権を得たカンザスシティ連銀のジョージ総裁は、反対票を投じた。他のメンバーを含めてFOMCで具体的にどのような議論があったか、議事録にも注目したい。
◆資産買い入れの効果は金利低下などであり、コストはジョージ総裁も指摘する経済や金融のインバランス(不均衡)から生じる資産バブル的な要素だろう。資産市場で極端な動きが生じた場合には、資産買い入れの縮小、停止が視野に入ることも想定される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
FOMC議事録を読む:QE3の効果とコスト
労働市場のみならず資産買い入れの効果とコストも論点
2013年02月22日
-
米国成長率は0.1%減だが民間部門は堅調
2012年10-12月期は3年半ぶりのマイナス成長
2013年01月31日
同じカテゴリの最新レポート
-
米国、設備投資費用の即時償却を復活・拡張
製造業・情報産業の新規投資、及び対米直接投資の増加要因か
2025年10月07日
-
米国経済見通し 利下げ再開後の注目点は?
景気下振れリスクが懸念される時こそ、インフレ動向を注視すべき
2025年09月24日
-
FOMC 0.25%ptの利下げを決定
先行きの利下げペースに関しては予想がばらつく
2025年09月18日
最新のレポート・コラム
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
-
一部の地域は企業関連で改善の兆し~物価高・海外動向・新政権の政策を注視
2025年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年10月08日
-
政治不安が続くアジア新興国、脆弱な中間層に配慮した政策を
2025年10月10日
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日