2012年Q2の米国成長率は1.5%増に鈍化

先行き不透明感が高まる内容

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2012年07月30日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2012年Q2の実質GDP成長率は前期比年率1.5%増となり、米国の景気は2009年Q3から引き続き拡大していることが示された。また、今回の公表では年次改定が行われたため、2009年Q1から2012年Q1までの数字が変更され、2012年Q1は1.9%増が2.0%増へ、2011年Q4は3.0%増から4.1%増へ、それぞれ上方修正された。

◆中身をみると、個人消費を中心に、設備投資や住宅投資など幅広い項目で実質GDP成長率の鈍化を招いた。これらは主に、前期の押し上げ要因となっていた暖冬の影響や、タイの洪水に伴う供給不足の反動増の影響が剥落したため、今期の実質GDP成長率の鈍化要因となったとみられる。よって、今期の成長率鈍化をもって足下で米国経済の成長ペースが急減速していると考える必要はないだろう。

◆ただし、足下で雇用環境の改善ペースの鈍化や欧州の債務問題、「財政の崖」問題などが生じており、米国経済の先行き不透明感が高まっている。

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