Fed、現状維持で、先行きは何も示唆せず
メンバーの景気・インフレ見通しは、2012年を中心に上方修正
2012年04月26日
サマリー
◆4月24~25日にFOMCが開催され、政策金利を事実上のゼロ金利で据え置く方針を確認し、異例なほど低い金利水準を少なくとも2014年遅くまで続ける点を繰り返した。そして、短期国債を売って長期国債を買うことで保有する国債の平均残存期間を長期化するプログラム(オペレーション・ツイスト)を継続する方針も維持した。だが、6月末の終了期限は刻々と近づいており、市場は7月以降の展開を模索しているが、声明文やバーナンキ議長の記者会見などから、具体的な手がかりは示されなかった。◆一方、景気の現状認識が大きく変わらないなか、見通しについて、欧州の債務問題に端を発する国際金融市場の緊迫した状況という著しい下ブレリスクはあるものの、経済成長はしばらく緩やかなままだが、徐々に加速するというポジティブな見方を示した。今回改定されたFedメンバーの景気・インフレ見通しでも2012年を中心に上方修正されている。また、同時に発表されたメンバーが考える適切な利上げ時期・及び利上げペースをみると、ゼロ金利解除のタイミングが、ハト派を中心にやや前倒し方向に修正されている。2014年遅くに先送りされた1月時点と比較すると、声明文の表現は変わらないものの、Fedメンバーの見方は変化しているといえよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月21日
2020年12月貿易統計
欧米での経済活動制限による需要減少を受け、輸出は足踏み
-
2021年01月21日
金融街シティは国際金融都市の座を死守できるのか?
金融サービスは合意なき離脱に突入、欧州大陸に株式取引がシフト
-
2021年01月21日
冬来たりなば
-
2021年01月20日
日本経済見通し:2021年1月
1-3月期は小幅な景気悪化を見込むも「二番底」リスクを排除できず
-
2021年01月21日
社外取締役に期待される役割の開示~改正会社法施行規則
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く