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ビッグデータの公的統計への貢献と課題

『大和総研調査季報』 2020年秋季号(Vol.40)掲載

経済調査部 研究員 中田 理惠

経済調査部 主任研究員 溝端 幹雄

サマリー

近年、公的統計は速報性などの課題に加えて、プライバシー保護や統計回答者の報告負担の重さなど調査の実施自体が世界的に困難となっており、こうした課題解決に民間で活用が進むビッグデータの貢献が期待されている。

公的統計へのビッグデータの貢献は「速報性」「報告者負担の軽減」といった既存統計の補完機能のほかに、大量のデータを用いることによる「詳細性」「網羅性」での改善も期待できる。一方、ビッグデータが抱える「プライバシー」や「継続性」「代表性」「安定性」など解決すべき課題も多い。

海外公的機関では、ビッグデータを扱える専門人材の育成や外部機関とのノウハウのシェア、データの共有・管理に向けた政策的支援や法的枠組みの構築に力を入れている。実際の活用では、カード決済データやウェブスクレイピングによる物価・消費・雇用統計への活用、税務統計などの行政データ、交通データ・位置情報データの活用が見られる。日本も経済産業省などで活用事例はあるが、現状は世界でも公的統計での活用事例は少ない。

ビッグデータ活用のガイドライン策定や統計の民営化の検討に加えて、幅広い分野で経済分析・予測へ応用するなどの経済情報の重層化が望まれる。

大和総研調査季報 2020年10月秋季号Vol.40

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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