サマリー
◆経済見通しを改訂:2015年7-9月期GDP二次速報の発表を受けて、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2015年度が前年度比+1.0%(前回:同+0.8%)、2016年度が同+1.5%(同:同+1.5%)である。日本経済は2015年にいったん「踊り場」局面入りしたものの、当社のメインシナリオでは、①アベノミクスによる好循環が継続すること、②米国向けを中心に輸出が徐々に持ち直すことなどから、2016年にかけて緩やかな回復軌道に復する見通しだ(→詳細は、熊谷亮丸他「第187回 日本経済予測(改訂版)」(2015年12月8日)参照)。
◆日本経済のメインシナリオ:日本経済は、GDP統計の需要項目別動向からは正式に「景気後退」局面入りと判定される可能性がある一方で、重要な3つのメルクマールは「踊り場」局面を示唆するなど、両者で明暗が分かれる結果となっている。いずれにしても、日本経済の調整は短期かつ軽微なものにとどまり、2016年にかけて緩やかな回復軌道に復する見通しである。
◆日本経済のリスク要因:日本経済のリスク要因としては、①中国経済の下振れ、②米国の出口戦略に伴う新興国市場の動揺、③地政学的リスクを背景とする世界的な株安、④ユーロ圏経済の悪化、⑤財政規律喪失への懸念を背景とする将来的な「トリプル安(債券安・円安・株安)」の進行、の5点に留意が必要である。当社の中国に対する見方は「短期=楽観。中長期=悲観」である。中国経済を取り巻く状況を極めて単純化すれば、「1,000兆円以上の過剰融資」「400兆円以上の過剰資本ストック」に対して、中国政府が600兆~800兆円規模の財政資金で立ち向かう、という構図だ。中国経済の底割れは当面回避されるとみているが、中長期的なタイムスパンでは大規模な資本ストック調整が発生するリスクを警戒すべきであろう。
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